こんにちは、いんべすた@です。😊
最近の投資界隈やSNSを見ていると、「円安はもう止まらない」「NISAはS&P500かオルカンに全力投資しておけば間違いない」という声をよく耳にします。
確かに、証券口座を開くたびに画面上の評価額が順調に増えていくのを見ると、「自分の戦略は絶対的に正しい」と感じるのも無理はありません。
しかし、過去に投資で大失敗し、全財産を失うという地獄を見た経験を持つ私からすれば、今の相場に漂う「ある種の過信」には、非常に強い危機感を覚えます。
実は今、水面下で「強固な円安構造」と「将来の強烈な円高リスク」という、一見矛盾する2つの巨大な力が綱引きをしています。
今回は、この2つの事象を掛け合わせ、「現在」から「未来」にかけてどのような為替シナリオが描けるのか、時系列に沿って詳しく紐解いていきます。
結論から言えば、「長期的にはゲームのルールが変わり、想像を絶する円高が押し寄せる可能性がある。だからこそ、現金比率とバランスが命綱になる」ということです。

(1) 「永遠に続くトレンド」を信じる脳の罠
「このまま円安と株高がずっと続くはずだ」
私たちがそう信じたくなるのは、人間の脳に備わった「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」が、心地よい現状を維持しようと働くからです。脳は変化を嫌い、今のトレンドが永遠に続くと思い込むことで安心感を得ようとします。
しかし、歴史を振り返れば「永遠に続く相場」など存在しません。皆と同じ方向(S&P500への一極集中)へ向かっている時こそ、自分軸を取り戻し、人生の監督席から市場を俯瞰する必要があります。予測不可能な未来に対して私たちができる唯一のことは、決めつけることではなく、「どんなシナリオが来ても生き残れる準備」をしておくことなのです。
(2) 【短期〜中期】構造的な資金流出による「円安の定着」
まず、足元の状況からファクトを整理しましょう。
「日銀が利上げし、アメリカが利下げすれば、日米の金利差が縮小して円高になるはずだ」
これが従来の経済学のセオリーです。低金利の円を借りて高金利のドルで運用する「キャリートレード」が解消されれば、円が買い戻されるプロセスが生まれるからです。
しかし、現実にはセオリー通りには劇的な円高が進んでいません。
その背景には、金利差縮小の要因を打ち消すほどの「強烈で構造的な円売り(資産流出)」が存在しているからです。具体的には、以下の2つのパイプラインが日本から「円」を流出させ続けています。
- 終わらない「デジタル赤字」:私たちは毎日、Microsoft、Amazon、Google、Metaといった海外IT企業のサービスに依存し、サブスクリプション料金や広告費を支払っています。これは実質的に、日本から海外へ永遠に「円を売り、ドルを買う」行為が続いている状態です。
- NISAによる「個人の海外投資」の定着:日本の個人投資家が、毎月S&P500やオルカンなどの海外投資信託を買い続けています。長期的な資産形成の目的で外に出た資金は、長期間日本には戻ってきません。
輸出が伸び悩む構造に加え、この「逃れられない円売りのパイプライン」が稼働し続けている以上、ちょっとやそっとの金利差縮小では劇的な円高にはなりにくいのが現状です。政治や財政への懸念(ソブリン・リスク)も相まって、足元ではこの「底堅い円安」が継続しやすい環境にあると言えます。
(3) 慢心が招いた全財産喪失の記憶
「なるほど、じゃあやっぱり円安構造は崩れないから、S&P500に全ツッパで正解だな」
もしあなたがそう思ったなら、少しだけ私の痛い過去の話を聞いてください。
20代の社畜時代、私はまさに「今のトレンドは永遠に続く」と過信していました。「専門家がこう言っているから」「チャートが右肩上がりだから」。その程度の浅い認識で、なけなしの資金をハイレバレッジで市場に投じていたのです。
そして起きたのが、ギリシャショックでした。
「ここは必ず反発するはずだ」という私の祈りを嘲笑うかのように、モニターの向こうで信じられない速度で数字が溶けていきました。頭の中が真っ白になり、マウスを握る手は痙攣するように震えました。全身から嫌な汗が噴き出し、証券会社からの「強制ロスカット」を知らせる無機質なメールを見た時の絶望。
「ゲームのルールが変わる瞬間」に、ひとつのシナリオに全財産を賭けていた代償は、あまりにも巨大でした。だからこそ私は、現在のS&P500への熱狂と円安の過信を見ると、あの夜の冷や汗を思い出すのです。
(4) 【中期〜長期】世界秩序の崩壊と「暴力的な円高」のテールリスク
ここからが本題です。数年〜数十年単位の未来を見据えた時、この積み上がった円安構造が一気に逆回転する「テールリスク(発生確率は低いが影響が甚大なリスク)」が浮上してくる可能性があります。
そのトリガーになり得るのが、「世界秩序(パラダイム)の大転換」です。
スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムで、世界のトップエリートたちが「グローバリゼーションは西側とアメリカにとって失敗だった」と公然と語りました。80年間続いた「ドルが基軸通貨であり、世界がそのルールに従う」というシステム自体が、限界を迎えようとしています。
- 多極化する世界と「脱ドル化」の波:BRICSを中心とする国々は、金や通貨バスケットで裏付けされた新決済通貨の導入を進めています。また、ブロックチェーン技術による「トークン化」により、国家の枠を超えた新しい資本の移動手段が生まれています。これらはドルの「永続的な需要」を確実に削り取ります。
- 資本の日本回帰と「絶望的な円高」:もし、この新秩序の中でドルの覇権が揺らぎ、アメリカに集まっていた莫大な資本が本国(日本)に回帰し始めたらどうなるか。強固だった円安が一気に逆回転し、猛烈な「ドル安・円高」が進行する可能性があります。
S&P500がいくら株価として上昇しても、為替が劇的に円高に振れれば、私たちの円建て資産は強烈な為替差損によって大きく目減りします。S&P500の最大の弱点は「ドルが基軸通貨でなくなること」であり、米国一極集中のポートフォリオは、この「構造変化リスク」に対してあまりにも無防備なのです。
(5) いんべすた@流「生存戦略」――嵐をやり過ごすための準備
未来を正確に当てることは誰にもできません。だからこそ、予想するのではなく、どんなシナリオにも対応できる「対策(システム)」が必要です。私が実践しているのは、以下の「バランス感覚」と「現金比率の死守」です。
- インデックス投資は「コア」として継続:
S&P500やオルカンへの積立を否定はしません。これは「世界の企業の成長」に賭けるコア枠として淡々と継続します。しかし、これ「一本足打法」になることは避けます。 - 「無国籍資産」への分散:
法定通貨のデベースメント(価値希薄化)やドルの覇権後退に備え、金(ゴールド)などのコモディティや、次世代の金融インフラとなり得る暗号資産を組み込みます。現に私は、ポートフォリオの約18%をコモディティ、約5%を暗号資産として保有し、異なる値動きをする資産に分散させています。 - 【最重要】現金比率の死守:
どんなに完璧なシナリオを描いても、途中の強烈な暴落で心が折れては意味がありません。私は「現金比率25%」を目標にし、現在も約24.3%の現金を確保しています。パラダイムシフトが起きて市場がパニックになった時、現金は「最強のオプション(武器)」に変わります。底値で優良資産を拾うための機動的な弾薬となるのです。
今の日本から流れ出る「円売り構造」は確かに強力です。しかし、世界のルールが永遠に続くと過信することは、将来の「ゲームのルール変更」の際に致命傷を負うリスクをはらんでいます。
「足元は円安構造が強いが、将来は一気にルールが変わり、強烈な円高が押し寄せる可能性がある」
このシナリオを頭の片隅に置き、株、コモディティ、そして「現金」を適切なバランスで持ち続けましょう。
投資は人生を豊かにするための手段であり、ストレスで寿命を縮めるためのものではありません。どんな嵐が来ても枕を高くして眠れるよう、しっかりとした自分軸のバランス感覚を身につけていきましょう!🚀✨
- 【パラダイムシフトに備える・思考チェックリスト】
- 「S&P500さえ買っておけば永遠に安心」という正常性バイアスを捨てたか?
- 「ドル安・超円高」が来た際の為替差損リスク(ダブル・エクスポージャー)を理解しているか?
- ドルの覇権後退に備え、コモディティや暗号資産など「無国籍資産」を一部組み込んでいるか?
- 大暴落の嵐をやり過ごすための「弾薬(目標10〜25%の現金比率)」を確保しているか?
- 今のポートフォリオは、夜ぐっすりと「枕を高くして眠れる」バランスになっているか?

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