いんべすた@です。
ここ数日、マーケットが荒れていますね。
私のブログを読んでくださっている方の中にも、画面上の評価額が急激に減っていくのを見て、胃が痛くなる思いをしている方がいるかもしれません。
特に、これまで「最強の安全資産」として快進撃を続けてきたゴールド(金)やシルバーなどの貴金属、そして「デジタルゴールド」とも呼ばれるビットコインなどの暗号資産が、文字通り「暴落」と言える下げを見せています。
「デベースメント(通貨価値の毀損)はこれからが本番じゃなかったのか?」
「なぜ安全資産の金まで売られるのか?」
そんな不安の声が聞こえてきそうです。
今回は、この急落の背景にある「本当の理由」を整理しつつ、私いんべすた@が常々申し上げている「ポートフォリオにおける現金比率の重要性」と「バランス感覚」について、改めて深掘りしていきたいと思います。
結論から言えば、「長期的にはデベースメント(通貨安)は不可避だが、短期的には現金(Cash)が最強の防具になる」ということです。
未来を正確に当てることは誰にもできません。だからこそ、私たちは予想ではなく「対策」をする必要があります。
なぜ今、貴金属と暗号資産が「暴落」したのか?
まずは現状認識から始めましょう。
2026年に入り、金価格は一時1オンス5,600ドルに迫る勢いでしたが、ここ数日で激しい調整局面に入りました。
一部のデータでは、金は高値から約17%下落し、よりボラティリティ(価格変動)の激しい銀に至っては、なんと36%もの暴落を記録しています。
暗号資産も同様に連れ安となっており、まさに「換金売り(Cash out)」の様相を呈しています。
この暴落のトリガー(引き金)となった主な要因は、以下の3つに整理できます。
| ① ケビン・ウォーシュ氏の FRB議長指名 | トランプ大統領によるサプライズ人事。「タカ派(インフレ抑制重視)」のウォーシュ氏指名により、「ドル高・金利高」観測が浮上し、ドル建て資産(金・クリプト)に逆風が吹いた。 |
| ② CMEによる 証拠金の引き上げ | CMEグループが銀先物の証拠金を9%→11%へ引き上げ。レバレッジ勢の「追証」回避による強制的な投げ売り(ロスカット)が発生。 |
| ③ 単なる 「利益確定」 | 2025年に金が約65%上昇した反動。ウォーシュ氏指名を口実に、過熱感を冷ますための売りが殺到した。 |
① ケビン・ウォーシュ氏のFRB議長指名
マーケットにとって最大のサプライズは、トランプ大統領が次期FRB(連邦準備制度理事会)議長にケビン・ウォーシュ氏を指名したことです。
ウォーシュ氏はかつてFRB理事を務めた際、金融緩和に慎重な姿勢を示していた人物です。
市場はこれを「今後、米国の金利が高止まりし、ドルが強くなる(=ドル建て資産である金やクリプトには逆風)」と受け止めました。
彼は「FRBのバランスシート(資産規模)は大きすぎる」と批判しており、市場の流動性を引き締める可能性があります。これが「ドル安・金高」のシナリオに冷や水を浴びせたのです。
② CMEによる証拠金の引き上げ
相場が過熱すると、取引所はクールダウンさせるために規制を強めます。
今回、CMEグループ(シカゴ・マーカンタイル取引所)は銀先物の証拠金を引き上げました。
「レバレッジをかけて取引している投機筋」は、追加の証拠金を差し入れるか、ポジションを解消(売却)するかの二択を迫られます。
結果、強制的な売りが売りを呼ぶ「投げ売り」が発生し、価格が急落しました。これは2025年末にも見られた現象であり、典型的な調整局面の動きです。
それでも「デベースメント」は止まらない
では、これで「金や暗号資産の時代」は終わったのでしょうか?
いんべすた@としては、「長期的なシナリオは何も変わっていない」と考えています。
私がポートフォリオにコモディティや暗号資産を組み入れている最大の理由は、「法定通貨(フィアット)の価値保存機能への不信」です。
これを専門用語で「デベースメント(通貨価値の希薄化)」と呼びますが、この根本原因は解消されるどころか、悪化の一途をたどっています。
米国債務という時限爆弾
米国の債務残高は38兆ドルを超え、GDP比で120%を上回っています。
利払いだけで国防費を超える規模になっており、これを返済する現実的な手段は「ドルの増刷(インフレによる実質債務の圧縮)」しか残されていません。
誰がFRB議長になろうとも、この巨大な債務の山を消し去ることはできません。
長期的にはドルを刷り続けざるを得ず、相対的に「供給量が限られた資産(金・ビットコイン)」の価値は上がり続ける構造にあります。
BRICSによる「脱ドル化」と新通貨「Unit」
さらに注目すべきは、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ等)の動きです。
彼らは現在、金40%と各国の通貨バスケット60%で裏付けされた新貿易決済通貨「Unit(ユニット)」の導入を進めています。
これが本格稼働すれば、エネルギー取引などがドル以外で行われるようになり、ドルの基軸通貨としての地位が徐々に、しかし確実に削られていきます。
金が「単なる投資商品」から「決済の裏付け資産」へと格上げされるパラダイムシフトが起ころうとしているのです。
J.P.モルガンの分析では、2026年も各国中央銀行は年間750トン規模の金を購入すると予測されています。
彼らは短期的な価格変動で狼狽売りしたりしません。国家の存亡をかけて「ドル以外の資産」を積み上げているのです。
いんべすた@流「生存戦略」:現金比率という命綱
長期的な上昇を確信しているなら、今回の暴落は「絶好の買い場」ではないか?
そう考える方もいるでしょう。
確かに、J.P.モルガンは個人投資家の金への配分が増えれば、金価格は8,000ドルに達するシナリオも描いています。
しかし、ここで思い出してほしいのが、私のブログのテーマでもある「バランス感覚」です。
短期の暴落で死なないために
相場の格言に以下の言葉があります。
「市場は、あなたが支払い能力を維持できる期間よりも長く、非合理的であり続けることができる」
いくら将来1万ドルになると信じていても、明日半値になって生活費に困り、泣く泣く安値で売却することになれば、それは「敗北」です。
今回の暴落でパニックになっている人の多くは、以下のどちらかではないでしょうか。
- レバレッジをかけていた(信用取引や先物)
- 資産のほぼ全てをリスク資産(株・金・クリプト)に突っ込んでいた
いんべすた@のポートフォリオでは、「現金比率」を常に意識しています。
現在の私のポートフォリオにおける現金比率は約22%です。
目標の25%には届いていませんが、この「現金クッション」があるからこそ、資産全体が10%や20%減っても、「まあ、生活には困らないし、安く買えるチャンスが来たかな」と冷静でいられるのです。
「現金」はゴミではない、オプションだ
インフレ下では「現金はゴミ(Cash is Trash)」と言われます。長期的にはその通りです。
だからこそ投資をするわけですが、暴落時において現金は「最強のオプション(権利)」に変わります。
- 精神安定剤としての機能:
評価額が減っても、手元の現金があれば心の余裕が保てます。 - 機動的な出動能力:
暴落が底を打った(セリングクライマックス)と判断した時、買い迎える弾薬になります。
今回の暴落で、「金なら安全だと思って全財産を入れたのに!」と焦っている方は、リスク許容度を超えているサインです。
未来のデベースメントに備えるあまり、現在の生活や精神を犠牲にしては本末転倒です。
未来は誰にも当てられない:だから分散する
今回の暴落を正確に予測できた人はどれくらいいたでしょうか?
「トランプ政権になれば株高・金高だ」と言われていましたが、蓋を開ければ「タカ派のウォーシュ氏指名で金暴落」というシナリオでした。
専門家の予測を見てみましょう。
- 強気派(J.P.モルガン、BofAなど):
金価格は5,000ドル〜8,000ドルへ向かう。 - 弱気派(シティグループなど):
米国経済の独り勝ちでインフレが沈静化し、金は2,500ドルまで下落する。
世界トップクラスの頭脳集団でさえ、見通しは真っ二つです。
私たち個人投資家が「どちらが正解か」を賭けるのは、投資ではなくギャンブルです。
いんべすた@の今後のアクション
だからこそ、私は予測に基づいた「一点張り」はしません。あくまで「バランス」で戦います。
1. ポートフォリオの維持(リバランス)
今回の下落で、ポートフォリオ内のコモディティや暗号資産の比率が目標より下がった場合、ルールに従って機械的に買い増し(リバランス)を検討します。
これは「逆張り」ではなく、崩れたバランスを元に戻す作業です。安くなったものを買い、高くなったものを売る。シンプルですが、これが長期投資の鉄則です。
2. インデックス投資(S&P500)の継続
私の資産のコアであるS&P500(新NISA枠)は、今回の騒動に関係なく、淡々と積立を継続します。
これは「企業の成長」に賭ける枠であり、通貨防衛とは別の役割を持っています。
3. 現金比率の死守
「暴落だ!チャンスだ!」と飛びつきすぎないこと。
まだ下落の入り口かもしれません。ウォーシュ氏の政策や、中国経済の動向(PMIが縮小圏にあるなど不安要素もあります)を見極める必要があります。
底値で拾おうとせず、現金比率が極端に減らない範囲で行動します。
まとめ:嵐の中で踊るのではなく、嵐をやり過ごす準備を
今回の貴金属・暗号資産の暴落は、私たちに重要な教訓を与えてくれました。
それは、「どんなに強力な上昇トレンド(デベースメントの流れ)であっても、短期的には容赦ない巻き戻しが起こる」ということです。
いんべすた@としての結論は以下の通りです。
【特典】今日の思考チェックリスト
- デベースメントの未来は不変:
米国の債務問題やBRICSの台頭は、数十年単位の構造変化。金や暗号資産を外す理由にはならない。 - 短期のボラティリティは強烈:
これに耐えうるのは「信念」ではなく「現金」。 - 予測は不可能、バランスが全て:
どのシナリオに転んでも生き残れるよう、株・コモディティ・現金を適切な比率で持ち続ける。
暴落した画面を見て不安になっているあなたへ。
もし夜も眠れないなら、それはポジションを取りすぎています。
少し売って、現金を増やし、枕を高くして寝ましょう。
投資は人生を豊かにするための手段であり、ストレスで寿命を縮めるためのものではありません。
嵐はいつか過ぎ去ります。その時、市場に退場せず立っていられた人だけが、次の上昇気流に乗ることができるのです。
共に、この荒波を「バランス感覚」という羅針盤で乗り切っていきましょう。
(いんべすた@ 2026年2月2日)

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